井戸(さく井)とは
井戸は、地下深くから地下水を取り出すための構造物です。主に飲料水や農業用水、工業用水などの目的で利用されます。
井戸は地下水脈や地層に穿たれ、その中から水を汲み上げます。
井戸の構造は、地下水を安定して取り出すことを目的としており、井戸の深さや直径は地域や利用目的に応じて異なります。
一般的に、井戸の内部にはポンプや配管が設置され、水を地上へと送り出します。地下水は地表の水源に比べて汚染のリスクが低く、安定した水量を供給することができるため、地域の水需要を補う重要な役割を果たしています。
しかし、井戸の設置や管理には専門知識が必要であり、地形や地質、地下水の流れなどを考慮する必要があります。
また、定期的なメンテナンスや水質管理も重要です。
井戸は地下水の利活用を可能にし、生活や産業において重要な役割を果たしています。
井戸(さく井)のメリット
井戸には、さまざまなメリットがあり。まず第一に、井戸は安定した水の供給源として機能し、地域の水不足問題を解決します。地下水は地上の水源に比べて安定しており、気候変動や天候の影響を受けにくいため、年中安定した水量を供給できます。
これにより、農業や畜産業などの産業活動において、安定した水の確保が可能となります。
また、井戸から汲み上げられる地下水は、地表の水源と比べて汚染のリスクが低いという利点もあります。
地下深くにある地下水は、地表の汚染物質から保護されており、水質の安定性が高いです。
そのため、井戸から取り出される水は、高品質な飲料水や農業用水として利用できます。
防災井戸としての役割
井戸には災害時における非常用の水源としての役割もあります。井戸から取水することで、災害時にも安全な水を確保することができます。
これは、地震や洪水などの自然災害が頻発する地域では特に重要です。
BCP(事業継続計画)策定としての井戸の設置
井戸は、BCP(事業継続計画)対策においても非常に重要な役割を果たします。自然災害が発生した際には、地表水が汚染されたり供給が途絶えたりする可能性が高く、生活や事業継続が困難になることがあります。このような状況で井戸が備えられていれば、安全な飲料水の供給を確保できるため、BCP対策の一環として極めて有効です。
また、災害時における企業の社会的責任(CSR)として、地域社会の復旧や被災者支援に貢献することも求められます。井戸を備えることで企業は、従業員や地域住民に対する責任を果たし、災害発生時に持続可能な支援を提供することが可能となります。
また、東日本大震災を機に厚生労働省は災害拠点病院などの重要施設に対して、BCP対策として3日分の飲料水を確保することを義務付けています。これは、病院が災害発生時でも患者や職員の安全を確保し、適切な医療を提供するために必要な措置です。
3日分の必要水量を受水槽で賄うには相当大きな受水槽の設置が必要なため、設置場所の問題が発生します。しかし地下水であれば、そのような問題もクリアできることから、BCP策定として井戸の設置を検討する病院が増えています。
井戸(さく井)の種類
掘井戸(丸井戸)
地下水脈に到達するまで直径1~2m程度、掘削中に壁が崩落しないよう、石やコンクリート等で壁を補強しながら掘削する方法で、昔からある「石積み井戸」など一般的なイメージに近い丸井戸です。
災害時などポンプが作動しなくなっても、ロープをつけたバケツなどで汲み出すことができる非常に便利な井戸です。
掘井戸(丸井戸)の主な用途
一般家庭、農業用、事務所、防災用など
打ち抜き井戸(打ち込み井戸)
打抜き井戸とは、表面に小さな穴が開いたパイプを地中の水脈まで打ち込み、地下水を採取します。
主に、地表近くの水脈を汲み上げるための井戸で、平均的な深さは5m~8m前後です。
狭い場所でも対応可能で工事も短時間で済み、工事の際に出る砂利や土も少ないので他の井戸に比べると手軽に井戸を掘ることが可能ではありますが、雨水などの影響を受けやすく、水質が安定しない事と水量が少ないという欠点があります。
打ち抜き井戸(打ち込み井戸)の主な用途
一般家庭、学校、事務所、工事現場、洗車場,畑、防災用など
ボーリング井戸(深井戸)
ボーリングマシーンで地中に穴をあけながらケーシング(井戸パイプ)を挿入し、硬い地層でも深い水脈まで掘り進めることができるため10m程度の浅井戸から、500mもある深井戸までの工事を行うことができます。ボーリング井戸は、ポンプを使って地下水を汲み上げます。深井戸は地表の影響を受けにくく、水質水量共に安定しやすいというメリットがあります。工場用水や消雪目的、ビニールハウスや畑などの農業用水、畜産用水、銭湯や学校など水を大量に使用する場所に用いられます
ボーリング井戸の主な用途
- 工場、消雪、ビニールハウス、畑、家畜
- 池、銭湯、学校、事務所、医療機関
- ショッピングモール など
井戸の掘削工法
ロータリー工法
掘削ロッドに先端ビットを取り付け、ボーリングマシンにて回転、掘りくずはビット先端から噴出する泥水を循環させ掘削する工法です。
ロータリー工法の特徴
- 水井戸として600m程度の大深度まで掘削可能
- 砂、砂礫、粘土などの未固結堆積層から岩盤まで幅広い地層に対応可能
- 掘削時の騒音振動が少ないため市街地でも対応可能
パーカッション工法
ワイヤーロープの先端に重量のあるビットを吊るし、地層に打ち付けることにより掘削する工法です。
パーカッション工法の特徴
- 泥水材料に粘土を使用するため仕上がりが良い
- 井戸掘削に特化した工法のため作業が単純で安価に掘削可能
ダウンザホールハンマー工法
(エアーハンマー工法)
掘削ビットをコンプレッサーから送った圧縮空気で振動させ地盤を粉砕掘削する工法です。
ダウンザホールハンマー工法の特徴
- 軟岩から極硬岩までの岩盤掘削において掘進率が高い。
- 泥水材料を使用しないため仕上がりが早い。
井戸工事の実績
ロータリー工法
ロータリー工法
ロータリー工法
パーカッション工法
ロータリー工法
ロータリー工法
ロータリー工法
エアーハンマー工法
ロータリー工法
井戸工事実績エリアマップ
これまでに実施した主要な井戸工事の実施エリアです(2022年12月現在)。
井戸のメンテナンス
こんな時はメンテナンスが必要です!
- 水量がすくなくなった
- 水垢が目立つ
- 水の臭いがきになる
- 異物が混じっている
- 砂が出る
- ポンプから異音がする
このような症状が出た場合は井戸のメンテナンスが必要です。
急に水が出なくなる前に、定期的な井戸メンテナンスを行うことをお勧めいたします。
井戸水(地下水)活用の様々なメリット
地下水は土地によって、汲み上げられる水量や水質は様々です。
それらがお客様のご要望に添うものであることが一番なのですが、そうでない場合もあります。
弊社では、揚水設備の工夫や水処理など、お客様にとってより良い地下水利用方法をご提案することが可能です。
経済性
地下水の利用により、水道料金の削減を図ることができます。
利用時にかかる電気代等を除けば他に費用はかかりません。
省エネ(地中熱利用)
地下水温は一年を通じてほぼ一定という特徴があります。この熱を効率的に利用する事で、空気熱源を利用したエアコンより月々の電気代を節約する事ができます。
地下水は土地によって、汲み上げられる水量や水質は様々です。
それらがお客様のご要望に添うものであることが一番なのですが、そうでない場合もあります。
弊社では、揚水設備の工夫や水処理など、お客様にとってより良い地下水利用方法をご提案することが可能です。
経済性
地下水の利用により、水道料金の削減を図ることができます。
利用時にかかる電気代等を除けば他に費用はかかりません。
省エネ(地中熱利用)
地下水温は一年を通じてほぼ一定という特徴があります。この熱を効率的に利用する事で、空気熱源を利用したエアコンより月々の電気代を節約する事ができます。
井戸工事(さく井)に関するよくあるご質問
Q . 井戸水はどこでも出ますか。
井戸水が出るかどうかは地域によって様々です。地下水が得られる深度も10m程度の浅いものから数十mの深いもの、岩盤から取水する井戸であれば100mを超えるものもあります。弊社では豊富な既存データをもとに、利用目的に沿ったご提案ができます。
Q . 井戸を掘るのに周りに迷惑かける事がありますか。
井戸の掘削は周りの人々や環境に影響を与えることがあります。施工中は騒音や振動、粉じんの発生など周囲に迷惑をかけることがあります。施工時間の制限や防音対策、粉じん対策等を講じますが、影響をゼロにはできません。また、業務用で大容量の揚水することによって地下水位の低下や地盤沈下を引き起こすこともあり、近隣影響を及ぼすことがあります。そうしたことから井戸の掘削や揚水量に規制をかけている自治体もあります。
Q . 井戸を掘るスペースは?
工法によって異なります。掘削機械本体は大型のもので5m×10m程度のスペースが必要です。掘削のためにはほか発電機等の設備が必要となりますが、設置する位置を工夫することによりご要望に沿ったスペースで掘削のご提案ができます。ただし上空に架線や屋根などの障害物がある場合は掘削できません。
Q . いくらぐらいかかりますか?
井戸の掘削にかかる費用は、掘削する井戸の口径やなどによって異なります。小型掘削機で掘削する一般家庭向けの浅い井戸で数十万円、水量が必要な業務用の井戸で数百万かかる場合もあります。また、井戸水をくみ上げるポンプも必要となり、水量の少ないもので10~50万円程度、多いもので100万円を超えるものもあります。
Q . 飲める水ですか?
井戸水は、降雨等が地下に浸透することにより得られます。その際に地層のろ過作用により不純物が取り除かれていく一方、地層から地下水に溶け出す成分もあります。溶け出す成分にはカルシウムやマグネシウムなどの水のおいしさを示すものもあれば、鉄やマンガンなどの水を着色させるものもあります。また浅い帯水層ほど地表からの影響を受けやすく菌類などの検出、人為的な汚染物質の流出が地下水に影響を及ぼすこともあります。水質検査をすることにより飲用可能かどうかの判断をすることになりますが、たとえ飲用可能となった場合でも定期的な検査をお奨めします。