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静岡県「盛土環境条例」改正の背景と環境分析の役割

  ~国の盛土規制法とのすみわけと、分析調査の重要性~

2025年5月26日、静岡県では「静岡県盛土等による環境の汚染の防止に関する条例(盛土環境条例)」が施行されました。
この改正は、2021年の熱海市土石流災害を契機に制定された国の「盛土規制法」の施行に伴い、県独自の条例との役割分担(すみわけ)を明確にするために行われたものです。

改正の背景:国と県の役割分担

従来の「静岡県盛土条例」では、災害防止と環境保全の両面を規制対象としていました。
しかし、盛土規制法の施行により、災害防止に関する規定は国法に委ねることとなり、静岡県では条例の目的を「環境汚染の防止」に特化する形で再編しました。

このすみわけにより、以下のような整理がなされています。

規制の目的担当法令主な内容
災害防止盛土規制法(国)盛土の安全性、地形・地質に応じた許可基準、定期報告・中間検査など
環境保全盛土環境条例(県)土壌・水質の汚染防止、汚染土石の使用禁止、分析調査の実施など

改正後の主なポイント

土壌分析調査の位置づけの変更

旧条例では原則必須だった土壌分析調査は、改正後は必要な場合に限定されました。

  • 開発型盛土:都市計画法に基づく開発行為で、汚染の恐れがないと県が確認した場合 → 分析調査不要
  • 処分型盛土:残土処分場、農地造成など → 分析調査が義務

規制対象の明確化

  • 対象:盛土、堆積、埋立て(いずれも1,000㎡以上)
  • 一時堆積(ストックヤード)や現地流用による盛土等は対象外。ただし、汚染土石の使用は禁止。

証明書類の活用

地歴調査、再生資源利用促進計画、採石法・砂利採取法の認可書などが、汚染の有無を証明する手段として認められます。

分析会社としての対応

弊社では、条例改正に伴い、以下の支援を提供しています:

  • 処分型盛土における土壌・水質分析調査
    → 重金属類、有機化合物などの有害物質の有無を精密に分析
  • 地歴調査の実施と報告書作成
    → 土地利用履歴を調査し、汚染リスクを評価

おわりに

今回の改正は、国と県の役割分担を明確にし、より合理的な規制体系へと移行するものです。
環境分析は、盛土事業の信頼性と安全性を確保するための重要な工程であり、今後もその役割は変わりません。

盛土計画に関する調査・報告のご相談は、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。

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